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マーカスの野望

アンブレラに謀殺されたt-ウイルスの創造者であるマーカス所長は、10年の歳月をかけて体内に寄生した女王ヒルのおかげで復活し、アンブレラに復讐を誓ったと劇中で語っていた。
アンブレラに復讐するだけでなく、世界を紅連の炎に包んでやるなどとぬかしているが、いくら身体能力がバケモノでも、彼に世界崩壊などできるのだろうか?
ここではそれを検証していきたい。

まず、彼が行える主な攻撃方法は、ヒルによるt-ウイルス汚染である。
列車内にあった卵の塊が孵化する様子から、おそらく相当な繁殖力をもつものだと考えられるが、悲しくも彼らは所詮ヒルである。
世界に目を向けている以上、移動しつつ汚染地域を拡大していかなくてはならないが、ゲーム中での移動速度を見ていると、(ヒルにしては速いんだろうが)北アメリカ大陸を汚染しきるのすら、何十年先の話になるのかわかったものではない。
しかも現実では、どこかひとつの町なり集落なりが汚染された時点で、連邦議会はなんらかの対策を講じるはずである。
最悪の場合、バイオ3のようにその地域を燃料気化爆弾で攻撃する滅菌作戦が行われる可能性もある。
だがもし仮に、これらの人間の抵抗を押し切ったとして、彼らは次にどんな行動をするのだろうか?

北アメリカ大陸を汚染しきったとしたら、次に目を向けるのは南アメリカ大陸であろう。
だが、国内が致命的なウイルス汚染に陥っている状態では、どの国もアメリカとの物理的接触を絶っているはずである。
陸路、海路、空路は全て閉鎖され、物資に混じって海外へいくことはできない。
そこで彼らはどうしてもメキシコを経由して南アメリカへ向かうことになるが、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸はパナマ運河によって分断されている。
当然、ここでは北アメリカ側に非常な警戒態勢をしいているだろうから、彼らはここで駆逐されてしまうか、そうでなくても先に進むのは難しい。

では、百歩譲って南北アメリカ大陸をめでたく汚染しきったとしよう。
次に彼らが目を向けるのはどこか?
近いところでは、カリブ海に浮かぶ諸島、アフリカ大陸、そしてヨーロッパを西端とするユーラシア大陸がある。
だが、彼らの前には荘厳に海水をたたえた大西洋が立ちふさがっている。
ヒルとして生きている彼らにとって、海水に浸るのは硫酸の海に飛び込むのと同じである。
しかも、おおむね湿潤な南アメリカ大陸の気候に比べ、アフリカ大陸西海岸から南下すると、地獄の乾燥地帯であるサハラ砂漠にぶち当たる。
季節が夏であれば、地中海沿岸のヨーロッパもおおむね乾燥気候となり、彼らにとっては苛酷な進軍になることは想像に難くない。
また、アフリカ大陸から上陸した場合、中央アジアに進もうにも、今度はスエズ運河が控えている。またデカい障壁だ。

千歩譲って、中央アジアから西のユーラシア、アフリカを汚染したとしよう。
今度彼らの前に立ちふさがる壁は、ロシア寄りに東へ進めば地獄の寒波、モンゴル寄りなら年間通して鬼のように降水がない延々と広がる草原、中国寄りなら世界の屋根といわれるヒマラヤ山脈、インドからインド洋寄りに進めばチベット高原である。
これらは、とてもではないが、ヒルが住める環境ではない。
まして、繁殖なんてできないし、捕食だって難しいだろう。
第一、t-ウイルスそのものが生きてはいまい。

一万歩譲ったとして、ユーラシアを汚染しきったとすれば、今度彼らが目指すのは、ミクロネシア諸島などの南太平洋地域と、オーストラリア大陸、グリーンランドやアイスアンドなどの極北の島国、地域である。
徹底して汚染するつもりなのなら、スカンディナビア半島北部に住むラップ族や、アラスカ全域にまんべんなく、過疎的に住んでいるイヌイット族も汚染する必要があるが、こんなところにヒルが立ち入ったら最後、体が地面に張りついてそのまま凍ってしまうだろう。
グリーンランドなど、世界一の過疎地域であり、汚染すべき人間の姿を見つけるのすら難しいに違いない。
もう、彼らが気の毒なのでここから先は省略する。

マーカスができる攻撃手段のもうひとつは、女王ヒルとして覚醒して直接殴る方法だが、ビリーとレベッカというコンビにすら退治されてしまう始末。
世界中に展開している軍隊の前にはただのデカいヒルに過ぎない。
瞬く間にボコボコにされてしまうだろう。
完全に論外となってしまう。

だいたい、本当に世界が紅連の炎に包まれてしまったら、自分たちだって致命的な弱点に包囲されることになってしまうではないか。

結論。
彼が野望を成し遂げるのは、不可能である。
ライオンハート(2006-12-11)

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