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SIG SP2340

バイオハザード3に登場したアンブレラ社の私兵部隊、「UBCS」の隊員たちが携行していた物だ。
ヨーロッパ資本の企業が擁する私兵部隊らしい機種選定であるとも言えるが、恐らく当時新しい
機種で、尚且つゲーム栄えするデザインを選んだだけの事だろう。

SP2340はスイスの国営企業SIG(Schweizerische Industrie Gesellschaft)が90年代後半に
軍・警察向けとして開発したオートマチックピストルだ。

安全性と即応性の高さ、高性能さら、特殊部隊やシークレットサービス等、多くのプロフェッショナル
から高い評価を受けその名を馳せた同社のP220、226、228だが、特徴である精密プレス製スライドや
削り出しフレーム等、複雑な製造工程を経て製造される同製品群はその※1価格の高さが最大のネックであった。

90年代、当時ヨーロッパの各拳銃メーカーはポリマーフレームブームの真っ最中であり、元祖ポリマーフレーム
のHkや新鋭のグロックが売り上げを伸ばすし、名門FNも同様のポリマーフレームを組み込んだFN Forty-Nineを
売り出す中、SIGは完全にポリマーピストル競争から取り残されてしまっていた。

そこで満を持して市場に投入したのがこのSP2340である、SIG初となるポリマーフレームを採用し、スライドも
プレス製から※2オーソドックスなステンレス削り出しへと変更し、更に内部構造も大きく見直された事により
大幅なコストダウンにも成功している。
また、強度の高い削り出しのスライドを搭載した事により、※3当時流行り出した40SW、357SIGと言った
ハイプレッシャーカートリッジにも対応する事が可能となり、単なる廉価版ではない時代のニーズを汲んだ
設計となっている。

ただし、既に築かれたグロックの牙城を突き崩す事は名門SIGにも敵わず、本銃はフランスの国家憲兵隊所属の
GIGNやドイツBGSのGSG9で少数が採用された程度で、同部隊でもグロック社製の拳銃が主流となっている。
また、軍用正式として大量採用する動きを見せた国は今の所現れていない。


※1
76~85年の米軍正式ピストルトライアルでは、P226はベレッタM92SBと共に最後まで候補に残ったものの、価格の
高さが勝敗を決したと言う。
ちなみにこのトライアルにはレオンが使ったVP70も参加しているが、結果は泥に漬けると5発に1発ジャムが
起きると言う散々な結果でトライアル開始早々脱落したそうである。

※2
以前は人手の掛る削りだしよりプレス成型の方が工程が少なく安上がりとされて来たが、現在はCNCマシンの
普及により、部品のよってはプレスよりも削り出しの方が効率的な場合もある。

※3
SP2340は40SW、357SIGに対応したモデルであり、9mmパラベラム弾を使用するモデルはSP2009と言うモデルであり、
実際にはゲーム中に登場する弾では規格が合わない事になる。
スターバック(2009-05-13)

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