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VP70

ドイツのヘッケラー&コック社(以下Hk)が1970年に開発した軍用マーケット向け大型拳銃。

設計の原型は2次大戦末期にモーゼルが設計した国民拳銃(Volks-Pistole)と言う省力化
ピストルであり、VP70はその名が示すとおり国民拳銃の現代版(40年近く前だが)と言った所である。

VP70は元々アフリカやアジアの高いSMGを揃える資金のない国や、NATO加盟諸国がソビエトに進攻
された際の民間防衛用など、今で言うPDWと似た設計思想の下に銃器である、しかし拳銃としてもSMG
としても中途半端な武器であり、ストレートブローバックやダブルアクションオンリーなど、単純化のために
取り入れた機能のが災いしスライドは巨大化、トリガーは重く安定した射撃が出来ず結果命中精度は悪化、
更に9mmパラベラム弾をロッキングを使わず発射可能にするためライフリングを深く掘ったため発射ガスの
ロスが多く威力は380ACP程度しか出ていなかったと言う。
このためVP70を採用した国はアフリカや東南アジアの数カ国に留まり、調達価格もそれほど安くはなかった
ため、調達数も大きく伸び悩んだ。
当のHkもその後民間マーケット向けVP70Zに生産をシフトし、程なくしてその生産を打ち切っている。


バリエーションとしては
VP70:プレス製スライド、3点バースト機能付き
VP70Z:鋳造製スライド、バースト機能削除、フィンガーーチャンネル削除
VP70M:プレス製スライド、3点バースト機能付き、Z型グリップフレーム
の3種類のバリエーションが存在する。

現在VP70シリーズはアメリカではプレミアが付き、なかでも貴重なVP70Mは1丁数千ドルの値が付く
事もあるという。
また、軍用中としては失敗だらけだった本銃だが、後に大ヒット商品となったグロック17や、今や警察向け
モデルで多く見られるDAOトリガーなど、機構的には先見の明が数多くあった、登場するもう少し遅ければ
もっと違う評価を得られていたかもしれない。
スターバック(2009-05-05)

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